新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、その大きな要因の1つに病院での院内感染があります。
院内感染が広がっている病院の医療従事者が家族への感染を恐れ車で寝泊まりをする状況に追い込まれました。一体何が起こっているのでしょうか?
北海道内の病院で相次ぐ院内感染。そのうちの1つの病院で働く医療従事者の男性は、常に感染の恐怖と隣り合わせだといいます。
院内感染が広がる病院の医療従事者:「3分の2がリタイアしている。症状出ていない限りは働かざるを得ない。最初から防護服はない。N95マスクもアルコール消毒して使いまわすしかない」
男性には妻と子どもがいて、自宅で暮らしています。"見えないウイルスを持ち込んでしまうのではないか?"そこで、苦渋の決断に至りました。
院内感染が広がる病院の医療従事者:「家に帰ったらうつしてしまう可能性もあるので家には帰れない。帰らない場合は車で(寝る)しかない。帰らない生活は2週間は続いている」
ワンボックスカーに寝袋を持ち込み暮らしているのです。スタッフの人数が少ないため休みがなく、日勤と当直を繰り返しているといいます。疲れ果てて横になっても十分に足を延ばして休むこともできません。
院内感染が広がる病院の医療従事者:「食事はなければコンビニとか、病院に一応シャワーとかあるので、そこは使わせてもらっている」
家族とは電話やSNSで連絡を取り合っていますが、いつ普通の生活に戻れるのか見通せません。
このような医療従事者の暮らす場所を確保しようと、札幌市内のゲストハウスでは施設を無料で提供することを決めました。
フルコミッション 山崎 明信 社長:「国ですとか、北海道、札幌市も、いろんな補償や手当を出しているが、全然足りない。その中で、我々として会社や個人単位でできる事を出し合うということでしか、この難局を乗り越えられない」
周りの住民も取り組みに理解を示しています。こちらでは5月末まで26人が宿泊でき、車中泊を続けていた男性も入居することにしました。
院内感染が広がる病院の医療従事者:「少しでも普通の生活に戻れるのかなという感じ。『ありがたい』しか言葉が出てこない」
新型コロナウイルスと必死に戦う医療従事者を支援する輪が、少しづつ広がっています。